株式会社 篠原設計

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補償業務課

家屋調査

事業損失(工事損失)

事業損失イラスト公共事業や民間の工事にかかわらず、建築工事や解体工事、下水道工事、護岸工事など様々な工事により振動、地盤沈下、井戸枯渇など近隣に損失を与えてしまうことがあります。このように建物等に損失を与えることを事業損失(事損)又は工事損失(工損)とよんでいます。
工事の施工業者においては、近隣建物等へ影響が少ない工法を採用していますが、地盤の状況や建物の構造等により建物等へ損害を与えてしまうことがあります。今回の工事により損失を与えてしまったどうかを判断する要素として工事の着手前に建物等の現状の調査(家屋調査)を補償コンサルタント業者(専門業者)が行います。この調査を事前調査とよんでいます。
事前調査を行うことにより、従前からの損傷であるか、工事の影響による損傷であるかなどを判断する要素とすることができます。したがいまして、工事により近隣建物等へ損失を与える可能がある場合は事前調査をおすすめします。

事前調査

事前調査は、工事により損失を与えてしまうおそれがあるものを調査します。たとえば、建物、コンクリート叩、アスファルト舗装、ブロック塀、建物の現状の状況を調査します。
調査箇所は、現在の状況を把握し、損傷の種類、損傷部の寸法を撮影用の看板に損傷種類名及び寸法を記載して損傷個所と一緒に写真撮影を行います。
一般的には建物内外部を調査しますが、プライバシー等の関係で調査をしてもらいたくない部屋につきましては辞退して頂くことも可能ですが、工事により損傷が出てしまった場合には工事との因果関係の判断が難しく、建物等の所有者は補償を受けられないことがあります。

建物外部の調査

建物外部の調査は、現地にて簡単な立面図、屋根伏図、配置図を作成します。この簡易立面図等を利用して基礎や外壁にある亀裂、隙間等を計測して写真撮影用の看板と損傷個所を一緒に写真撮影を行います。外壁は、四隅を傾斜計で傾きを計測します。屋根は、瓦のずれや割れがないか確認し、また、軒天についても確認します。

■外部調査風景

基礎の調査風景

基礎の調査風景

■外部調査風景

カーブミラーの調査

外壁傾斜の調査風景

■外部調査風景

花壇の調査風景

花壇の調査風景

■事前調査外部損傷事例

事前調査時(工事前)による基礎亀裂の現況写真

事前調査時(工事前)による基礎亀裂の現況写真

建物内部の調査

建物内部の調査は、現地にて簡単な平面図を作成します。この簡易平面図を利用して各部屋ごとに損傷箇所を計測し、写真撮影を行います。
主な調査内容は、床の亀裂、傾斜、壁の亀裂、隙間、破損、傾斜、天井の亀裂、隙間、破損、雨漏れ、建具の隙間、建付不良、破損、柱の傾斜、敷居の傾斜を測定します。

■内部調査風景

内壁の調査風景

内壁の調査風景

■内部調査風景

内壁傾斜の調査風景

内壁傾斜の調査風景

■事前調査内部損傷事例

事前調査時(工事前)による内壁亀裂の現況写真

事前調査時(工事前)による内壁亀裂の現況写真

調査図面・調査表の作成

建物等の現状を調査した結果を基に調査表を作成します。また、調査した損傷はすべて写真撮影を行い、下記の写真方向図に撮影番号を記入します。(損傷部分はすべて写真に残します。)損傷の写真撮影は、所有者名、損傷個所、測定値等を記入した看板を一緒に撮影します。また、最後に調査に立会って頂いた建物等の所有者(代理人)様の写真も撮影させて頂いております。

■事前調査サンプル図面

配置図

配置図

建物平面図

建物平面図

建物屋根伏図

建物屋根伏図

建物立面図

建物立面図

事後調査

工事が終了したら再度建物等の調査を行います。この工事後の調査を事後調査とよんでいます。事後調査は、事前調査の資料と対比を行い、事前調査時の損傷がひどくなっていないか。また、新たに損傷が発生していないかを調査します。また、建物所有者からの申し出も踏まえて実施します。事後調査は、工事においてほとんど振動がなかった場合や近隣住民からの聞き取り調査により建物等に損傷が出ていない場合では事後調査を行わないケースもあります。

■事後調査損傷事例

外壁亀裂の現況写真

事後調査(工事後)により
新規に発生した外壁亀裂の現況写真

外壁破損の現況写真

事後調査(工事後)により
新規に発生した外壁破損の現況写真

外壁亀裂の現況写真

事後調査(工事後)により
新規に発生した外壁破損の現況写真

外壁破損の現況写真

事後調査(工事後)により
新規に発生した内壁破損の現況写真

復旧費用の積算

事後調査を行った結果、工事による損傷が明らかであると判断できた場合はその損害を復旧するために必要な費用を積算します。復旧方法は、損傷個所・内容により総合的に判断し、基準・要領に基づき適正に行います。

補償交渉

復旧積算が終了し、補償額が確定した場合は補償交渉を行います。公共事業の工事で損害が発生した場合は、起業者がその工事会社に代わり、被害状況の説明、補修方法や補修範囲、補償金について説明します。補償金は損害を受ける前の状態へ回復させる費用を補償することになります。